ANGRA/TEMPLE OF SHADOWS テンプル・オブ・シャドウズ(2004)

アルバムレビュー

点数 92点

メロディックパワーメタル メロディックスピードメタル
ブラジル

Temple of Shadows
Temple of Shadows

『ブラジルの巨星が放つ渾身のコンセプト作品』

ブラジル出身のアングラによる5枚目のアルバム

今作は十字軍をテーマにした小説をベースにした初のコンセプトアルバム。その為かプログレッシブな出来になっている。

従来のメタルとラテン音楽のミックスもとても良い出来だったが、今回は民族音楽を取り入れるというよりも音楽自体がプログレになっている気がする。

前作より参加のエドゥ・ファラスキのヴォーカルがとても進化しており熱唱が聴ける。

アングラもメンバーチェンジが多い為今作のメンバーを記しておく。

エドゥ・ファラスキ(ボーカル)
キコ・ルーレイロ(ギター)
ラファエル・ビッテンコート(ギター)
フェリペ・アンドレオーリ(ベース)
アキレス・プリースター(ドラム)

プロデューサーはPINK CREAM 69のデニス・ワード

ゲストミュージシャンにカイ・ハンセン(ガンマ・レイ)、ハンズィ・キアシュ(ブラインド・ガーディアン)、サビーネ・エデルスバッカー(Edenbridge)、ミルトン・ナシメントらが参加。

『曲レビュー』

1「DEUS LE VOLT!」荘厳な感じのインスト曲。続く2のスピードメタルとセットで聴きたいところだ。期待感を感じさせる曲。

2「SPREAD YOUR FIRE」やってくれました!完全無欠のスピードメタル。これは歴代の神曲「CARRY ON」と「NOVA ERA」に並ぶ出来具合でしょう。もう始まりのギターリフを聴いただけで悶絶もの。書き始めたらキリがないので纏めてしまうが、各楽器陣の演奏力が凄い。どのパートを聴いても上手くて聴き応えがある。エドゥの進化したヴォーカルもGOOD。サビはもう拳を挙げながら歌ってしまうだろう。サビーネによる女性ヴォーカル部もとても効果的だ。ギターソロはツインハーモニーで悶絶。ソロ前のドラムもカッコいい。ヴォーカルに合わせて曲が書けるっていうのは凄い才能だと思います。

3「ANGELS AND DEMONS」冒頭の不思議な感じがするリフがもうカッコいい。ツインギターが十二分に機能している。ベースとのユニゾンも良い感じだ。歌に入るとアップテンポなナンバーに。ここでも伸びやかなヴォーカルは健在だ。歌が終わると曲は展開を見せ激速なスピードに。アキレスのドラムプレイの何と激しく正確で緻密な事か。2バスが本当に速い。続くギターソロも本当に上手くて感心してしまう。曲全体では少しプログレッシブなテイストも入っているような気がする。

4「WAITING SILENCE」美しさも感じられるミドルテンポのナンバー。冒頭のギターメロディから良い感じだ。Aメロでのプログレのような展開もカッコよく、ベースの跳ね具合がまた曲に合っていて素晴らしい。ここでもヴォーカルの伸び具合が良いですね。そしてベースソロがカッコいい。中間部は本当プログレを聴いているみたいに感じる。コンパクトにまとめられているのも好印象だ。

5「WISHING WELL」メロディーラインの綺麗なバラード。聴いていると心が洗われていくようだ。サビのコーラスの美しさときたらもう…。ギターソロも弾きすぎず歌にマッチしていてGOOD。この曲も長すぎず良い感じだ。

6「THE TEMPLE OF HATE」超絶疾走スピードメタルナンバー。冒頭から飛ばしまくりだ。ツインギターがカッコいい。メロディーも刻みもどちらも好き。この曲ではカイ・ハンセンがヴォーカルで参加。一聴してカイと分かるんだからやはり個性の強い声なのだろう。「ラーイナウッ!」は彼の得意なアーライ!と同じように強く印象に残る。テクニカルなギターソロもカッコいい。ソロ後からのストリングス(?)の音も曲に花を添えている感じでとても良い。曲調的に一緒に歌う感じもするがうっとりと聴きいってしまう。

7「THE SHADOW HUNTER」冒頭で聴けるフラメンコ調のアコースティックギターが既に雰囲気を醸し出している。歌メロに入ってからはエドゥの低い歌声が堪能出来る。張り上げていない声も魅力的だ。徐々に高くなっていくのもカッコいい。大作らしく展開していく。中間部のヴォーカルの後に来るギターソロがとてもメロディアスかつテクニカルで最高。ここだけメタリックな感じがする。最後の方は天にも昇るようなハイトーンヴォーカルが聴けて良い締めになっている。

8「NO PAIN FOR THE DEAD」アコースティックギターとヴォーカルでで始まるバラード。ギターの指使いが聴こえてくるような感じでとても素敵だ。中間部からサビーネの女性ヴォーカルが聴ける。そして後半部ではエドゥとのヴォーカルの掛け合いが聴ける。感動的な終わり方だ。

9「WINDS OF DESTINATION」破壊力を持った疾走パートから始まる。この曲ではハンズィが参加。曲にヴォーカルが馴染んでいるので違和感なく聴ける。エドゥとの掛け合いも良い感じだ。曲は展開を見せ動から静へと移っていく。そして如何にもプログレといった感じの展開に。ここでもギターソロはテクニカルな側面を見せる。最後にまた動へと展開する。

10「SPROUTS OF TIME」民族音楽のような曲調。色んなギターの音色を聴く事が出来る。単純ながらも美しいサビは覚えやすいだろう。スピードメタルとはまた違った歌唱を聴かせてくれるのもポイントだ。

11「MORNING STAR」ゆっくりとしたリズムで展開される曲。これもアングラ流のプログレといったところか。こちらも静と動のパートの違いが楽しめるようになっている。やはりテクニカルなギターが耳を引く。オーケストレーションで幕は閉じる。

12「LATE REDEMPTION」こちらもゆっくりとした曲。「ブラジルの声」の異名を持つミルトン・ナシメントが参加。その歌声の雰囲気が曲にハマっている。やはり曲作りが上手いのだろうなと感心させられた。これはバラードとでも言うべきか。

13「GATE XIII」最後はクラシカルな要素を持ったインストナンバー。これはもうメタル云々というよりも映画音楽のエンディングのような感じだ。

【収録曲】

1.DEUS LE VOLT!
2.SPREAD YOUR FIRE
3.ANGELS AND DEMONS
4.WAITING SILENCE
5.WISHING WELL
6.THE TEMPLE OF HATE
7.THE SHADOW HUNTER
8.NO PAIN FOR THE DEAD
9.WINDS OF DESTINATION
10.SPROUTS OF TIME
11.MORNING STAR
12.LATE REDEMPTION
13.GATE XIII

感想など

前半に疾走曲が固まっているいる印象があるので後半にもスピードメタルが欲しかったところだ。1曲入っていたらかなり印象が変わるだろう。

とは言ってもコンセプトアルバムなのでその辺のバランスは本人達の出したいものにするしかないか。前半部のメタル度は凄まじい出来具合である。

プログレッシブな曲も多い為、一緒に歌うというよりも聴き込んでしまう印象があった。

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