STEELHEART/STEELHEART スティールハート(1990)

アルバムレビュー

点数 90点

ハードロック
アメリカ

スティールハート
スティールハート

『稀代の超絶ハイトーンを擁するバンドのデビュー作』

アメリカ出身のスティールハートによる1stアルバム

ヴォーカルのマイク・マティアビッチ(現在はミレンコ・マティアビッチ)の超絶ハイトーンが全編に渡って堪能出来る作品。

超絶悶絶名バラード「SHE’S GONE」が収録されている。この曲の為だけでも買う価値があるくらい名バラードだ。

聴いていると超絶ハイトーンに耳がいきがちだが、楽器陣もなかなかそつない感じで上手い。

突き抜けるハイトーンは未聴の方にはぜひ聴いてほしい。

『曲レビュー』

1「LOVE AIN’T EASY」イントロはサビの歌だけからイン。バンドサウンドになると一気にアメリカンハードロックに。ギターリフも良い感じだ。そこに最初のシャウトが乗ってくるが、もうそれが突き抜けてて気持ちいい。AメロBメロと力強いヴォーカル。サビは最初に出てきているので覚えやすく一緒に歌ってしまうだろう。ギターソロも良い感じだ。最後のシャウトの何と高い事か。圧倒される。

2「CAN’T STOP ME LOVIN’ YOU」独特な感じがするギターリフでイン。テンポ的にはスローなシャッフル曲といったところか。バックがブルージーな感じで歌がアメリカンな感じを受ける。Aメロでの力を抜いた歌い方も良い感じ。Bメロ~サビとまた力強いヴォーカルが聴ける。それにしても高い。この人はどこまで声が出るのだろうか。サビは一緒に歌いたいところだがシャウト部は無理だろう(笑)クリス・リゾーラのギターソロも聴きどころだ。ハモりがカッコいい。

3「LIKE NEVER BEFORE」いきなり超絶ハイトーンシャウトで始まる曲。こちらもアメリカンハードロックな感じだ。歌に耳がいきがちだが楽器陣の演奏もこのバンドは上手いと思う。ヴォーカルは低い所から高い所まで表情豊かに歌いあげている。サビはキャッチーなのでこちらも一緒に歌ってしまうだろう。ギターソロもご機嫌な感じでGOOD。ソロ明けのシャウトがまた高い。最後の方のシャウトもさらに…どんな喉をしているのだろうかこの人は。

4「I’LL NEVER LET YOU GO」アコースティックギターと優しい歌声の始まりが印象的だ。この優しい歌い方が出来るというのも凄いなと思う。歌声が力強くなると同時にバンドサウンドに。パワーバラードと言っていいだろう。本当にこの人のハイトーンは聴き惚れてしまう。天にものぼるような声だ。最後はお得意の超絶ハイトーンで締め。

5「EVERYBODY LOVES EILEEN」ギターリフからしてもうアメリカハードロックといった感じだ。力を抜いた声で歌う部分が際立つ。サビは一緒に歌ってしまうだろう。ドライブにも似合いそうだ。ハイトーンシャウトからのギターソロが痺れる。楽器陣が余韻を残しフェードアウト。

6「SHEILA」スローテンポで進んでいくブルースナンバー。低中音域の歌も味わい深くて良い感じだ。もちろんハイトーンも出てくる。こういう曲は身を任せて聴いてしまった者勝ちだろう。長めの曲だが飛ばすにはもったいない。後半部の声の高さときたら…ふう。最後にヴォーカルとギターの掛け合いがあるので聴きどころだ。ハイトーンが段々超絶になっていく所は鳥肌が立ってしまう。

7「GIMME GIMME」ドラム&シャウトでスタート。そういえばこの人はシャウトが多いなって思った。超ハイトーンが出る人なのでそれも気持ちいいところだ。曲はミドルテンポでスタンダードなロックナンバーといったところか。

8「ROCK ‘N’ ROLL」メタル然としたギターリフのロックンロール。スピード感もあって良い感じだ。パワフルで如何にもアメリカンといった感じがする。伸びやかなヴォーカルが堪能出来る。サビはコーラスと共に叫んでしまうだろう。ギターソロも負けじと弾きまくっていてカッコいい。

9「SHE’S GONE」稀代の超絶悶絶バラード。イントロのピアノで既に心を奪われてしまうのだが、そこに泣きのギターが入ってきてさらに気持ちが揺さぶられてしまう。そして哀愁のあるAメロを聴き私のような者は既に涙が…。サビにいくにつれ段々ハイトーンになっていき、サビで一気に超ハイトーンに。もう涙が出っぱなしだ。こんな切なくて力強いバラードはそうそう聴けるものではない。HR/HM史上に間違いなく残る名バラード。

10「DOWN ‘N’ DIRTY」ギターリフが真似してみたくなるくらい覚えやすい。Aメロでの低中音域ヴォーカルが耳を引く。そしてお得意のハイトーンへ。曲はややアップテンポなハードロックだ。ヴォーカルとギターの掛け合いも聴けてギターソロが弾けている。最後はもちろん超絶ハイトーンシャウトで締めだ。

【収録曲】

1.LOVE AIN’T EASY
2.CAN’T STOP ME LOVIN’ YOU
3.LIKE NEVER BEFORE
4.I’LL NEVER LET YOU GO
5.EVERYBODY LOVES EILEEN
6.SHEILA
7.GIMME GIMME
8.ROCK ‘N’ ROLL (I JUST WANNA)
9.SHE’S GONE (LADY)
10.DOWN ‘N’ DIRTY

感想など

書くにあたって改めて聴いてみて、また素晴らしさに気づかされた。とにかくヴォーカルの良さに尽きる。これ程までのハイトーンヴォーカルはそうそういるものではないだろう。

YouTubeでは1億回以上再生されている「SHE’S GONE」は絶対に抑えておいてほしい1曲だ。

マイクのヴォーカルもさすがに歳には勝てないようで近作ではそのハイトーンも出なくなってしまっている。この1stと次の2ndは圧倒的な絶唱が聴けるので2ndもおススメする。

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