点数 90点
ハードロック
ドイツ
『世界的にヒットしたバラードを含むハードかつポップかつ叙情的な色んな側面を持った良盤』
ドイツ出身のスコーピオンズによる11枚目のアルバム
私はこのアルバムでスコーピオンズを聴き始めたので、以前のアルバムだったりメンバーチェンジの事は完全に後追いである事を先に書いておきたい。
リアルタイムで聴いてきた人にとっては所謂スコーピオンズ節ではないのかもしれない。
大ヒット作の「WIND OF CHANGE」が収録されている。ドイツはベルリンの壁が崩壊した年であり、この曲はタイムリーに大ヒットしたようだ。
キャッチーな曲が多いのでとっつきやすいだろう。私的には名盤だと思っている。
『曲レビュー』
1「TEASE ME PLEASE ME」カッコいいハードロックナンバー。ドイツっぽさは無い感じがする。アメリカンな感じがして明るくキャッチーな佳曲。サビも一緒に歌いやすい。
2「DON’T BELIEVE HER」私がこのアルバムの中で一番好きなハードロック曲。サビのメロディは哀愁もあり悶絶レベルで良い。もちろん一緒に歌ってしまう。クラウス・マイネのヴォーカルがハマってる感じがする。
3「TO BE WITH YOU IN HEAVEN」リフの合間にドラムのスネアが入るカッコいい曲。この曲も哀愁漂うメロディだと思う。A、Bメロで溜めてサビで一気に開放される感じがたまらない。
4「WIND OF CHANGE」ビルボードチャートでも大ヒットした名バラード。口笛がどこか物悲しい雰囲気を出している。クラウスの透き通るような、それでいてかすれるような歌声がまた良い。コーラスワークも秀逸。これはサビだけじゃなく全部歌いたくなる曲。ギターソロも泣き系で素敵。
5「RESTLESS NIGHTS」これもA、Bメロで溜めてサビで開放する感じの曲。緩急がついていて良い。「ダイハードイントーキョー」が耳に残る。
6「LUST OR LOVE」一聴するとキャッチーな感じに聴こえるが実は哀愁具合はなかなかのもの。サビを一緒に歌ってしまう。
7「KICKS AFTER SIX」アップテンポでハードなナンバー。曲は聴きやすくてドライブにも合うけど、歌詞はどうなんだろう。。
8「HIT BETWEEN THE EYES」疾走ロックンロールナンバー。アメリカンな感じにも聴こえる。これもドライブ向き。ギターソロもノリノリ。
10「CRAZY WORLD」ヘヴィなリフのロック。単純だが「うーうーうーイッツアクレイジーワールド」と思わず言ってしまう。
11「SEND ME AN ANGEL」欧州系の湿り気のあるバラード。これ、とても良い曲です。個人的には4よりこっちの方が好きかも。胸を締め付けられる泣きの曲といってもいいだろう。そして一つの物語(アルバム)が終わる。
【収録曲】
1.TEASE ME PLEASE ME
2.DON’T BELIEVE HER
3.TO BE WITH YOU IN HEAVEN
4.WIND OF CHANGE
5.RESTLESS NIGHTS
6.LUST OR LOVE
7.KICKS AFTER SIX
8.HIT BETWEEN THE EYES
9.MONEY AND FAME
10.CRAZY WORLD
11.SEND ME AN ANGEL
感想など
結成が60年代で70年代にデビュー作と、私にとっては当時の事を知る由もなく後追いのまた後追いのような感じになったバンド。今作で知り、以降お気に入りバンドの一つに。
最初に聴いたアルバムがこれなのでどうしても高評価になってしまう。リアルタイムで聴いてきた人にはどのように聴こえるのだろうか。とても興味があるところだ。
2023年にはX JAPANのYOSHIKIとコラボして「WIND OF CHANGE」の演奏を収録した音楽ドキュメンタリー映画『YOSHIKI: UNDER THE SKY』が公開された。
今年1月にドラムのジェイムス・コタックが急逝。キングダム・カムやウォレントでもそのプレイを知っていただけにとても残念だ。
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