点数 88点
ヘヴィメタル メロディックパワーメタル
スウェーデン
『正統派ヘヴィメタルの復権を成した重要なバンドのデビュー作』
スウェーデン出身のハンマーフォールによる1stアルバム
ヘヴィメタルが落ち目に合っていた1990年代後半という時期にデビューし鋼鉄の意志で突き進みメタル復権のきっかけを作る一バンドにまでのし上がった。
ヨーロッパ圏で特に人気のあるバンド。
ヴォーカルのヨアキム・カンスの線の細さが気になるところだが、アティテュードが受け手の求めているものと合致しているのだろう。日本での受け止め方と海外ではまた違うもののように感じる。
この時代に伝統的なメタルをやっていたバンドが一体どのくらいいただろうか。時代背景を感じながら聴くと良いのだろうなと感じた。
本作はスピード、パワー、メロディが程よく揃っていると思う。ライブ映えする曲が多い感じを受ける。
イン・フレイムスで知られるイェスパー・ストロムブラードが作曲にて参加。
『曲レビュー』
1「THE DRAGON LIES BLEEDING」冒頭のギターリフで既に名曲の予感。からのシャウト。声は細く聴こえるが気持ちは伝わってくる。Aメロが良い感じにメロディが乗っている。サビは拳を挙げながら一緒に歌ってしまう。良い感じのメロディックパワーメタルだ。
2「THE METAL AGE」次もカッコいいギターリフから始まり疾走曲に。私的にはドラムのスネアの音がとても気になった。これはきっと意図してこのトーンにしたのだろう。中間部では古典的なヘヴィメタルのような感じの展開に。全体的にベースのラインも聴いてて面白い。
3「HAMMERFALL」まだまだ疾走していきます。バンド名が曲名になるって中々かっこいいと思う。Aメロでいい感じ、Bメロも良し、サビは?ドキドキしながら聴いているとまさかの低めのトーンで「ハーンマフォール」の大合唱!私には新しく感じた。突き抜けてハイトーンに行くのだと思い込んでいたからだ。これはライブで歌いやすいなと思った。サビ後のギターソロもメロディアスで良い。最後の方にあるコーラスも一緒に歌えるようになっている。
4「I BELIEVE」ここでバラード。曲順的には丁度いい感じだ。北欧らしい叙情的な面を持っている。ヨアキムの声はこういう曲にとても合っていると感じる。
5「CHILD OF THE DAMNED」これはウォーロードのカヴァー曲。私は原曲を知らず申し訳ないのだが、2バスメタルしていて中々良い感じだと思う。
6「STEEL MEETS STEEL」またもや分かりやすいギターリフの疾走曲。曲名の部分で叫んでしまう。私のような初心者でもリフが分かりやすいものが多いって事は聴きやすいメロディが多いのだろう。
7「STONE COLD」ミドルテンポの重厚なナンバー。疾走曲が多かっただけに映える。最初の方でギターが弾きまくっているのもカッコいい。中間部分にライブのような掛け声の部分があり、メロイックサインと共に叫んでしまうのであった。
8「UNCHAINED」印象的なリフを持つ疾走曲。サビは最後の方にトーンが上がっていく感じだ。中間部分でミドルテンポで重厚に聴かせるところもある。
9「GLORY TO THE BRAVE」表題曲は何とバラード。これが…とても良い!もの悲しいピアノからギターが入ってきてもう既に悶絶。ヨアキムさん、こういう歌がとても合う。最高峰の鎮魂歌ではないだろうか。これは歌詞を見ながら聴くのが良い。ジャーマンメタルの重厚コーラスに北欧テイストが入った感じとでもいうべきか。これだけ見事なフィニッシュは中々聴けるものではない。
【収録曲】
1.THE DRAGON LIES BLEEDING
2.THE METAL AGE
3.HAMMERFALL
4.I BELIEVE
5.CHILD OF THE DAMNED
6.STEEL MEETS STEEL
7.STONE COLD
8.UNCHAINED
9.GLORY TO THE BRAVE
感想など
ハンマーフォールは聴いているとライブ映えするバンドだなと思った。2ndを先にレビューしたがそちらもやはりライブで歌えるものが多いイメージだ。
リフだったりキメ、コーラスも分かりやすいのでこの世界観に入り込みさえすれば楽しめる事間違いなしだ。
楽器の経験が特にある訳ではないのだが、このバンドのギターリフはとても覚えやすく初心者~中級者にちょうど良い練習にもなるのではないかなと思った。難しかったらごめんなさい。
歌のサビで悶絶ハイトーンにならないのがこのバンドの特徴だろうか。その代わりに歌いやすいメロディが詰まっている。
3rd以降はミドルテンポの曲が増えていくので、疾走感を求めるならこの1stと2ndが良いと思う。
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