点数 88点
ハードロック ヘアメタル
アメリカ
『聴けば聴くほど味が出るブルージーなロックの好盤』
アメリカ出身のシンデレラによる3rdアルバム
私は後追いでシンデレラを聴いており、この作品を最初に聴いたのでレビューしてみようと思う。
デビュー時に見られた華やかさケバさはなくなっていき、よりブルージーな路線になり哀愁漂うロック作品に。
ヴォーカルでマルチプレイヤーのトム・キーファーの才能が溢れ出る好盤になっている。スライドギターは聴きどころ。
一聴すると前作よりも地味な作品に聴こえるかもしれないが私的にはとても聴きやすいアルバムだと感じた。ブルージーではあるが音作りはきちんとハードロックしている。
『曲レビュー』
1「THE MORE THINGS CHANGE」イントロで高揚感を煽りご機嫌なロックンロールナンバーへ。ノリが良いのでドライブに向きそう。アメリカならではのロックといった感じがした。サビも歌いやすく、コーラスワークも良い。スライドギターや管楽器の入れ方がとても良い。
2「LOVE’S GOT ME DOIN’ TIME」イントロのカッコよさに痺れました。これは渋めのファンクとでも言うべきか。こういった曲が書けるのは所謂ヘアメタル勢の中では見当たらないかもしれない。題名のところの歌い方がカッコよすぎる。
3「SHELTER ME」シンデレラ風味の軽快なロックンロールナンバ-。歌詞も分かりやすくて良い。私も時には楽にいこうと思える曲。女性コーラスもキラリと光っている。管楽器やサックス、ピアノも跳ねるような感じで入っている良曲。
4「HEARTBREAK STATION」良い曲順でバラード。アルペジオのリフからして良い。歌詞もそうだが楽曲もどこか切なく仕上がっており名曲と言えよう。哀愁のあるトムの力の抜いた歌い方から叫びのような歌い方まで感情の起伏があってとても良い。渋いですなぁ。サビとCメロの部分では思わず涙が溢れ出た。ギターソロもカッコいい。ピアノも良い感じで入っている。改めて曲名のインパクトを感じた。
5「SICK FOR THE CURE」カウベルが印象的なドラムでイン。ノリがよく気分が晴れやかになる曲。ギターとピアノも良い感じで入っている。「Free Free!!」と思わず口ずさんでしまう。終わり方も余韻を残していてGOOD。
6「ONE FOR ROCK AND ROLL」これはハードロックというよりカントリーな曲。トムの脱力した歌声が心に沁みる。
7「DEAD MAN’S ROAD」イントロがとても渋い。これはBON JOVI等でも聴ける渋い曲。一聴してウエスタンな感じを受ける。しかし本当に色んな曲が書けるって凄い。
8「MAKE YOUR OWN WAY」これもドラムのカウベルが印象的だ。そこに入ってくるオルガンの音もまた良い。シンデレラらしい曲と言えよう。明るく勢いがあるロック。
9「ELECTRIC LOVE」ベースのグルーブが光る曲。怪しげな感じがして良い。歌の前半部と後半部がガラッと変わるのも特徴。ギターソロがメロディアスで渋い。
10「LOVE GONE BAD」こちらもグルーヴィなリズム隊が光る。ややアップテンポなナンバー。コーラスワークもバッチリ。サビは大合唱。終わりの方にあるギターリフとサックスが渋い。
11「WINDS OF CHANGE」アコースティックのギターにのせて歌うトムの歌声が哀愁漂っている。最後の曲を静かに終わらせるのもアメリカのバンドって感じがして良い。余韻が残るという楽しみがある。
【収録曲】
1.THE MORE THINGS CHANGE
2.LOVE’S GOT ME DOIN’ TIME
3.SHELTER ME
4.HEARTBREAK STATION
5.SICK FOR THE CURE
6.ONE FOR ROCK AND ROLL
7.DEAD MAN’S ROAD
8.MAKE YOUR OWN WAY
9.ELECTRIC LOVE
10.LOVE GONE BAD
11.WINDS OF CHANGE
感想など
シンデレラのファンの方々はおそらく1stや2ndが好きだと思うのだが、私は断然この3rdが好きだ。音楽性が明らかに違うものになっており、それぞれの音楽性を楽しむのも良いだろう。
何かに近いなと思っていたらエアロスミスだ。彼らと同じようなノリを持っているのかなって思った。ゆっくり聴き比べてみよう。
一つの作品としてとても良い曲順だと思う。アルバムを通して聴く派なのでこういう盤には好感を持てる。曲名と中身が一致しているところもGOOD。
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