点数 94点(日本盤ボーナストラック込みの場合)
ハードロック LAメタル
アメリカ
『ダブルプラチナムまで売れたLAメタル後期の輝き。ルックスも楽曲も抜群!』
アメリカ出身のウォレントによる2ndアルバム
最初は邦題の「いけないチェリーパイ」にびっくりしたものだった(笑)ジャケットも意味深で面白かったし。
何度もリピートしたアルバム。ロック界きっての優れたソングライターであるジェイニー・レインの楽曲とヴォーカルがとても心地良い作品。女子に特に人気があったバンドだと思う。
前作の1st「DIRTY ROTTEN FILTHY STINKING RICH」で見せたポップなロックを軸にさらにハードになり楽曲の幅が広がった。LAメタル、ヘアメタルの名盤。
『曲レビュー』
1の「CHERRY PIE」で如何にもアメリカンなパーティーロックで幕を開ける。ギターのリフも程よくヘヴィで、何より一度聴いたら忘れられないメロディがたまらない。
続く2の「UNCLE TOM’S CABIN」では打って変わってシリアスなナンバー。イントロのバンジョーとアコギから既にカッコいい。静かな歌いだしから渋くてヘヴィなカッコいい曲展開へ。本当に痺れる曲。
3の「I SAW RED」は珠玉のバラード。かなりの名曲だと思う。イントロのピアノから既に良い。静と動を使い分けた感情のこもったジェイニーの歌唱がグッとくる。ギターソロ前の叫ぶような絶唱で私は涙が出てしまった。
4の「BED OF ROSES」で心地良いアメリカンロックが流れ、続く5「SURE FEELS GOOD TO ME」は疾走感溢れるハードなロックナンバー。ライブの1曲目に映えそうな曲。さらに6の「LOVE IN STEREO」でも爽快なロックが聞ける。3曲連続でノリが良い。
7の「BLIND FAITH」は甘く切ない感じのパワーバラード。「I SAW RED」とはまた違ったバラードでとても良い。
10の「MR. RAINMAKER」では非常にかっこいい哀愁のあるハードロックが聴ける。メロディにフックがある佳曲。
BLACKFOOTというバンドのカヴァー曲である11の「TRAIN, TRAIN」で本編は終了する。WARRANTは多くのカヴァーソングを演奏しているがこの曲も汽車が疾走していくような感が出てて非常に良い。
12は最初聞いた時ビックリしてしまった「ODE TO TIPPER GORE」これは曲ではなく、彼らのライブの中からFxxxワードを集めたもの。PMRCの創設者のティッパー・ゴア氏へ捧げるという意味らしい。
【収録曲】
1.CHERRY PIE
2.UNCLE TOM’S CABIN
3.I SAW RED
4.BED OF ROSES
5.SURE FEELS GOOD TO ME
6.LOVE IN STEREO
7.BLIND FAITH
8.SONG AND DANCE MAN
9.YOU’RE THE ONLY HELL YOUR MAMA EVER RAISED
10.MR. RAINMAKER
11.TRAIN, TRAIN
12.ODE TO TIPPER GORE
感想など
日本盤ボーナストラックには13曲目に「THIN DISGUISE」という名曲が入っており、12から13と連続して聞くと爽快感が増す。出来ればこのヴァージョンを聴いていただきたい。
1stアルバムに入っている超名バラード「Heaven」が全米2位を獲得し大成功をおさめ、続くこのアルバムは全米7位に輝いている。
この2ndも前作に続きプロデューサーはボー・ヒル。このタッグが絶妙に良い方向に行ってると思う。ほとんどの曲を書いているヴォーカルのジェイニーは稀有なソングライターだと私は思っている。ハードな曲からバラードまで幅広く、しかも名曲レベルに仕上がっているのは本当に尊敬するところだ。
アイドルっぽいルックスやイメージが先行した為、敬遠する方もいたと思うが本当に良いアルバムなので未聴の方はぜひ聞いてほしい。このアルバムは聴きやすくもあるので万人におススメしたい。
ちなみに初来日公演は観客が将棋倒しになる程の熱狂ぶりだったようで、ライブは途中で中断されている。
今もバンドは続いているがやはりこのバンドのフロントマンはジェイニー・レインで作詞曲も彼が行っている時代が最も輝いていただろう。惜しくも2011年に亡くなってしまっている。
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