点数 94点
ハードロック AOR メロディアスハードロック
アメリカ
『映画ロッキー3と4で世界的な認知度を得たバンドのメロディアスハードな傑作』
アメリカ出身のサバイバーによる5枚目のアルバム
先に書いておくと私はこの時代のバンドは全て後追いになる為、それを踏まえた上でのレビューとなる事を記しておきたい。
映画「ロッキー3」「ロッキー4」「ベスト・キッド」等の主題歌を担ったバンドで、多くの人はロッキーの主題歌で知る事になっただろう。
ヴォーカルにジミ・ジェイミソンを迎えての一作目に当たるアルバム。伸びやか且つエモーショナルなハイトーンの持ち主だ。
プロデューサーはロン・ネヴィソン。
ビルボードチャート14位。プラチナ・ディスクを獲得。
『曲レビュー』
1「I CAN’T HOLD BACK」全米13位。アコースティックギターからイン。既に良い雰囲気が漂っている。ヴォーカルも入り物語調に。バンドサウンドになってからはアメリカンハードロック全開だ。サビに向かっていくまでの展開の仕方がとてもカッコいい。サビはコーラスと共に一緒に歌ってしまうだろう。ギターソロも簡潔かつ次の展開に変わっていく役割を果たしていて良い。メロディアスな名曲。
2「HIGH ON YOU」全米8位。サビを思わせるキーボードからイン。爽やかでキャッチーなロックにジミの力強いヴォーカルが乗っている。ドライブに似合いそうな曲だ。特にソロというものはないが全編に渡りギターワークが冴えている。
3「FIRST NIGHT」全米53位。バラード調のヴォーカルから始まる。1とも2とも違う始まり方に新鮮さを感じる。一転してバンドサウンドになると共にアップテンポで軽快なナンバーに。サバイバー風の疾走曲で聴いていて心地良い。静と動のコントラストが実に良く出来ている。サビは一緒に歌うと気持ちいい。
4「THE SEARCH IS OVER」全米4位。ヒット作が多い本作だ。メロディアスなバラード。これはカラオケで歌いたくなる。歌詞もとても良い。こういう曲を歌いこなせるジミは本当に実力派のヴォーカルだ。哀愁感まで兼ね備えているから尚の事素晴らしい。名曲。
5「BROKEN PROMISES」キーボードリフのカッコいいイントロから歌へと入っていく。渋いギターソロからのキーボードへの展開も良い。サビはコーラスと一緒に曲名を歌う感じだ。
6「POPULAR GIRL」こちらもキーボードのリフから始まるキャッチーなナンバー。やはりジミの歌声とバンド演奏の展開が上手く噛み合っている。
7「EVERLASTING」ギター主導のイントロからすぐ歌へイン。無駄が無いのも今作の特徴と言えるだろう。曲はパワーバラードだ。適度なギターソロも良い。
8「IT’S THE SINGER NOT THE SONG」メロディアスハードロックの隠れた名曲と言える曲。Bメロで盛り上げつつサビは盛り上がりながらもどこか哀愁を感じさせる。起承転結がしっかりしている。ギターソロからの中間部キーボードも味がある。やはりこのヴォーカルが良いですね。サビは一緒に歌ってしまう。最後のサビ後に再度ギターソロで終わる。
9「I SEE YOU IN EVERYONE」本編ラストを飾るに相応しい曲。イントロのキーボードで既にグッと来てしまう。パワーバラードとでも言うべきか。物語を紡いでいくような歌はやはり良い。中間部にはホーンも効果的に取り入れている。こちらもギターソロで終わっていく。
10「THE MOMENT OF TRUTH」日本盤のボーナストラック。映画「ベスト・キッド」の主題歌。キーボードからイン。ベースとドラムが印象的だ。珍しく低いキーから始まる。段々と高くなっていきサビでは盛り上がりが全開に。やはり映画の主題歌だけあってカッコいい。サビは一緒に歌ってしまう。サビ時の効果音も良い感じだ。
【収録曲】
1.I CAN’T HOLD BACK
2.HIGH ON YOU
3.FIRST NIGHT
4.THE SEARCH IS OVER
5.BROKEN PROMISES
6.POPULAR GIRL
7.EVERLASTING
8.IT’S THE SINGER NOT THE SONG
9.I SEE YOU IN EVERYONE
10.THE MOMENT OF TRUTH
感想など
上記の通り映画の主題歌を歌っているのでそこからサバイバーに入っていくのも手だろう。特に「EYE OF THE TIGER」は聴いた事がある人が多いかと思われる。
ジミ・ジェイミソンは2014年に亡くなっている。
目立ったギターソロ等が無いもののバンドサウンドとしてかなりの完成度を誇るアルバムだと思う。
サバイバーは過去に日本武道館でもライブを行っているが、再評価されるべきバンドだと思う。
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