STRATOVARIUS/VISIONS ヴィジョンズ(1997)

アルバムレビュー

点数 92点

メロディックスピードメタル メロディックパワーメタル
フィンランド

ヴィジョンズ
ヴィジョンズ

『北欧メタル、メロスピを進化させていったバンドの良盤』

フィンランド出身のストラトヴァリウスによる6枚目のアルバム

とてもバラエティーに富んでいるアルバムで充実した内容になっている。かと言って散漫さは感じられない。

ソナタアークティカを筆頭に様々なメロスピバンドに影響を及ぼしたと思われる。一つの完成形だ。

現体制とメンバーが違う為、今作のメンバーを記しておく。

ティモ・コティペルト(ボーカル)
ティモ・トルキ(ギター)
ヤリ・カイヌライネン(ベース)
イェンス・ヨハンソン(キーボード)
ヨルグ・マイケル(ドラム)

この時のリーダーはギターのティモ・トルキ。

イェンスとヨルグはそれぞれ名手と言われている。

※曲順は日本盤を元に記載。海外盤では1と2が逆になっている。

『曲レビュー』

1「BLACK DIAMOND」イントロのキーボード(チェンバロ?)で既に曲にのめり込める。バンドサウンドになってメロスピの疾走曲へ。Aメロから一緒に歌える程のメロディアス度だ。サビはもちろん一緒に歌ってしまう。哀愁を帯びた歌メロに綺麗なコーラスが乗ってくるので気持ちいい。ギターソロとキーボードソロの掛け合いが聴ける。名曲。

2「THE KISS OF JUDAS」ミドルテンポだがヨルグのドラムが重いノリながら良さを際立てている。ベースも良い仕事してます。分かりやすいギターリフ。このノリはおそらく海外の人にはウケるんじゃないかなと思う。日本盤が1と2を逆にした理由もそこにあるだろう。サビはコーラスと共に歌ってしまう。ここでもキーボードのソロ、ギターソロと掛け合いが聴ける。

3「FOREVER FREE」ギターリフが印象的な疾走メロスピナンバー。やはりヨルグの2バスドコドコが気持ちいい。自然とヘドバンしてしまう。Bメロはコーラスと共に歌ってしまい、サビもそのまま一緒に歌ってしまうだろう。キーボードソロとギターソロがまたしても聴ける。後半部から最後のシャウトまでコティペルトが頑張っている。

4「BEFORE THE WINTER」キーボードの旋律が印象的なバラード。切なく哀愁の漂うヴォーカルも良い。展開部の冬を感じさせるキーボード。そこに泣きのギターソロが入ってくる。

5「LEGIONS」カッコいいギターリフからイン。これもメロスピ疾走ナンバーだ。イェンスの合間合間に入ってくるキーボードも魅力的だ。歌はAメロ、Bメロ、サビとどれもメロディが際立っていて良い。サビはコーラスと共に歌ってしまう。キーボードとギターの掛け合いソロもカッコいい。ドラムも最後キッチリと締めてくれる。

6「THE ABYSS OF YOUR EYES」ストラトヴァリウスにしてはヘヴィでダークなナンバー。深く重いと言うべきか。歌の合間に入ってくる楽器陣が良い感じだ。ギターソロが弾きまくっているのがまた良い。

7「HOLY LIGHT」各楽器が堪能出来るインストナンバー。加速と減速を繰り返す。加速パートではやはりヨルグのドラムが気持ちいい。最初の減速部分ではアコースティックなパートがあり耳を引く。次の減速部ではキーボードソロにギターソロが聴ける。私的には二回目の減速部分がなければかなりの佳曲だと思うのだが如何なものか。

8「PARADISE」シンプルなロックンロール風で始まる。ヴォーカルが入ると普遍的でキャッチーなロックといった感じに聴こえる。Bメロとサビは一緒に歌うのが気持ちいいだろう。良いメロディですね。

9「COMING HOME」美しいアコースティックギターの旋律から始まるバラード。北欧チックなバラードとでも言うべきか。メロディが美しい。泣きのギターソロも曲に合っていてGOOD。

10「VISIONS」10分を超える大作にして表題曲。。厳かなイントロから始まりカッコいいギターが入ってくる。ここでミドルテンポの曲かと思いきや疾走メタルナンバーに。色んな展開を見せ曲は進んでいく。ストラト風のプログレといったところだろうか。中盤のアコースティック部分も良い感じ。ギターソロも良く、その後の展開もまたカッコいい。ヨルグのドラムのフィルインの多彩さには脱帽ものである。展開に各パートが素晴らしいのでダレる事なく聴く事が出来る。

【収録曲】

1.BLACK DIAMOND
2.THE KISS OF JUDAS
3.FOREVER FREE
4.BEFORE THE WINTER
5.LEGIONS
6.THE ABYSS OF YOUR EYES
7.HOLY LIGHT
8.PARADISE
9.COMING HOME
10.VISIONS (SOUTHERN CROSS)

感想など

改めて聴いてみて良いアルバムだと思った。欲を言えばヴォーカルがもう少し強めの人に歌ってほしいかな。と思うくらいか。でももうストラトの顔はコティペルトなのだからそれを基準にして聴かなければ。

イェンスとヨルグのプレイに関しては圧巻という他ない。

基本的にはメロスピのアルバムだが、1曲ずつしっかり聴いてみると色んなタイプの曲が入っているなと思わされる。

私はティモトルキがいる時代の曲が好みなので、新体制になってからのアルバムは実はあまり聴けていない。評判が良いものもあるので今後聴いていきたいと思う。

Visions Of Europe
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