点数 96点
メロディックスピードメタル
フィンランド
『メロスピ界のリーダー格バンドが放つ哀メロの宝庫』
フィンランド出身のソナタ・アークティカによる3rdアルバム
今年の3月にニューアルバム「CLEAR COLD BEYOND」をリリースしたばかりのSONATA ARCTICA。まだ初心者の私は旧作のレビューをしようと思う。
このアルバムに収録されている6曲目の「VICTORIA’S SECRET」は母国フィンランドのシングル・チャートでバンドにとって初の1位を獲得。8の「BROKEN」は3位。
1st、2ndとメロスピ史上に輝くアルバムを出しながらさらに音楽の幅を広げていった作品。ヴォーカル＆キーボードで作詞作曲を全て手掛けているトニー・カッコの才能が溢れ出るアルバム。
ゲストにSTRATOVARIUSのキーボード、イェンス・ヨハンソンが参加している。
『曲レビュー』
1「ABANDONED,PLEASED,BRAINWASHED,EXPLOITED」来ました！いきなり神スピードメタル曲でスタート。タイトルは長いが(笑)メロディに次ぐメロディの大洪水。歌メロが際立っている曲。コーラスも良い感じに入っている。リフ、Aメロ、Bメロ、サビと全てに良いメロディが…サビだけじゃなくて全部大合唱もの。とてもドラマティックな展開の悶絶神曲。素晴らしい！
2「GRAVENIMAGE」静かな立ち上がりの曲。最初のピアノとヴォーカルだけの部分が雰囲気もあって良い。このままバラードかと思ったがしっかりと展開を見せる。ギターのアレンジもキラリと光る。中盤では疾走曲に。静～動～静と聴かせてくれる佳曲。かなりドラマティック。1と3の間にこれが入っているのも私は素晴らしいと感じた。
3「THE CAGE」イントロのキーボードからぶっ飛んだ。カッコいい疾走スピードメタル。サビはもちろん大合唱ものなのだがBメロが良い。トニーが無理にハイトーンで歌っていないところにこの曲の良さとセンスを感じる。ソロ前の叫びも良い。キーボードソロは鳥肌もの。からのギターソロも良い感じ。ラストは大コーラスで締め。イェンスのプレイはさすがですね。名曲確定！
4「SILVER TONGUE」ソナタ風シャッフル系ミドルテンポナンバー。とは言ってもそれなりに速い。思わず首が縦に動いてしまうノリだ。サビがかなり頭に残る。これもキーボードとギターソロが程よく入っていて良い。
5「THE MISERY」哀愁漂う悲しげなバラード。曲順も最高。トニーの感情のこもった歌がかなり良い。歌詞を見ながら聴くとより切なくなる。ヤニ・リーマタイネンのギターも良い感じだ。
6「VICTORIA’S SECRET」イントロが印象的な北欧臭の強い素晴らしいスピードメタル。歌メロの合間に入るキーボードアレンジが素敵。サビはもちろん大合唱。中間部の展開もカッコいい。からのまたキーボードとギターソロが短めながらもキラリと光る。
7「CHAMPAGNE BATH」イントロのギターとキーボードの掛け合いからして素晴らしい。ヘドバンではなく体でリズムを取ってしまう感じのノリが良い曲。ソロのヤニvsイェンスがとても良く、そこに叫ぶトニーがまた良い味を出している。
8「BROKEN」はこれまでのソナタにはなかったタイプの曲。ミドルテンポでマルコ・パーシコスキのベースがとても印象的だ。日本受けはしなさそうだが結構良い曲。トニーのささやくような声から叫びまである表現力の豊かさが聴ける。
9「THE REST OF THE SUN BELONGS TO ME」ドラムが疾走しながら他の楽器陣もイン。メロディからのメロディ。本当に良く色々と出てくるなと感じる。サビはもちろん大合唱。ギターとキーボードのユニゾンがまた素晴らしい。
10「THE RUINS OF MY LIFE」静かな立ち上がりから一気に爆速チューンへ。Aメロのギターリフがカッコいい。サビは哀メロ大爆発！ソロ～終盤への緩急のつけ方が最高。実は切ない歌である。
11「DRAW ME」北欧らしい泣きメロを持ったバラード。私はハンマーフォールのバラードを思い出してしまった。
【収録曲】
1.ABANDONED,PLEASED,BRAINWASHED,EXPLOITED
2.GRAVENIMAGE
3.THE CAGE
4.SILVER TONGUE
5.THE MISERY
6.VICTORIA’S SECRET
7.CHAMPAGNE BATH
8.BROKEN
9.THE REST OF THE SUN BELONGS TO ME
10.THE RUINS OF MY LIFE
11.DRAW ME
感想など
私はこのアルバムが色々とバランスが取れていて好きだ。速い曲をもっと多く聞きたいという方は1stや2ndをおススメする。
このアルバムは構成が良く出来ていると私は感じた。速い曲のみで押すのではなくバラエティに富んだ楽曲群が一つのドラマになっているのだ。曲順もよく練られている。
3rdアルバムまで全て作詞作曲してきたトニー・カッコの才能には本当に脱帽する。
1999年のデビュー作からコンスタントにアルバムを出してきたバンドだけに時代時代で作風も変わっている。それにしても改めて見ると凄いハイペースで作品を作っているんだなと感心させられた。
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