点数 92点
ハードロック
アメリカ ドイツ
『不運の名盤?全米12位を記録!実力派シンガーを擁する力作』
アメリカとドイツ出身のキングダムカムによる1stアルバム
色んな本や評価でレッドツェッペリンに似ていると書かれていたりもするバンド。先に言っておくと私はツェッペリンを通っていないので比較が出来ない。このアルバムの評価だけを書いていきたいと思う。むしろツェッペリンを聴くきっかけを与えてくれたバンドでもある。
実力派シンガーのレニー・ウルフと名プロデューサーのボブ・ロックがガッチリと組んだ作品。
80年代当時流行っていたLAメタル、ヘアメタル勢とは違ってヘヴィかつ骨太なサウンドに仕上がっているように思う。
歌も演奏も良くどの曲も非常に聴き応えがあり、名盤の一つだと思う。渋くて高品質なハードロック作。
BON JOVIによる年越しイベントで来日、東京ドームでライブをしている。
『曲レビュー』
1「LIVING OUT OF TOUCH」冒頭のギターリフがもうクサくてカッコいい。Aメロから既に哀愁漂うヴォーカルを聴かせてくれる。ドッシリとしたドラムにベース。ギターソロも歌に繋げていく感じでカッコいい。これは…!!本当に素晴らしい作品の予感を感じたものである。名曲。
2「PUSHIN’ HARD」ドラムのインがカッコよく、こちらもギターとベースのリフが素敵。やはりヴォーカルが抜群に上手い。サビでのシャウトも最高である。一緒に歌いたいがこの人の場合聴き惚れていたい感じがする。
3「WHAT LOVE CAN BE」これも冒頭から素敵なバラード。やはりヴォーカルに引き込まれてしまい、楽器陣も素晴らしい。ハイトーンで上手いヴォーカルはそれだけで正義!と思ってしまう。ブルージーなギターも良い。冒頭の「カ…カム」の部分で既に悶絶ものなのだが最後の方の「クローストゥユー」の叫びで悶絶を超えてしまうのである。言葉が見つからない。。
4「17」単純ながらも印象的なドラムとベースで曲を引っ張っていく。しばらくヴォーカルが入らないので最初はインストかと思った程だ。不思議な魅力を持っている曲。この曲は楽器主体と言えるだろう。
5「THE SHUFFLE」このアルバムの中ではノリの良いナンバー。だがアメリカな要素はなくウェットさを感じる。ギターとヴォーカルの掛け合いの部分が耳を引く。からのシャウトまでカッコいい。
6「GET IT ON」印象的なドラムから始まる悶絶ナンバー。ギターとベースのリフが口ずさめる程に良い。静と動を使い分けるヴォーカルがまたたまらない。最後のドラムからのシャウトの締めが悶絶。
7「NOW FOREVER AFTER」このアルバムの中ではややアップテンポなナンバー。とは言ってもやはりこの時代の所謂アメリカンハードロックとは違う。メロディーが切ない感じだからなのだろうか。声質がそう聴こえさせてくれるのか。ギターソロも哀愁を帯びててGOOD.
8「HIDEAWAY」一体いくつの名曲を聴かせてくれるのだろうというくらいのまた名曲。イントロのドッシリとしたドラム、印象的なギターリフがたまらない。この曲でもAメロとサビの強弱をつけたヴォーカルが聴ける。ギターソロも泣きが入っていてカッコいい。最後のキメまで最高。
9「LOVING YOU」イントロのギターが印象的でそこからアコギへと進んでいく。なるほど、こういう曲が似ているという事なのだろうと感じた。素直に良いバラード作。
10「SHOUT IT OUT」最後は良質なハードロックで締め。サビは大合唱ものである。というか、レニーは全体的に大合唱させてくれない程聴き惚れる声の持ち主だと思った。
【収録曲】
1.LIVING OUT OF TOUCH
2.PUSHIN’ HARD
3.WHAT LOVE CAN BE
4.17
5.THE SHUFFLE
6.GET IT ON
7.NOW FOREVER AFTER
8.HIDEAWAY
9.LOVING YOU
10.SHOUT IT OUT
感想など
改めて聴いてみて凄く良く出来たアルバムだと感じる。似ている、似ていない論争は色んなバンドにある事なのでむしろ好意的に私はこの作品を受け入れたい。そういう人も少なからずいると思う。
ヴォーカルがとても実力派なだけにこのメンバーでもっと多くの作品を作ってほしかった。当時2枚のアルバムを作っただけで解散してしまったとの事。
ドラムのジェームズ・コタックはこのバンドの後、ウォレントやスコーピオンズにも在籍。惜しくも今年亡くなってしまっている。
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