HELLOWEEN/KEEPER OF THE SEVEN KEYS, PART I 守護神伝 -第一章-(1987)

アルバムレビュー

点数 95点

メロディックパワーメタル メロディックスピードメタル ジャーマンメタル
ドイツ

『多くのパワーメタル、スピードメタルのフォロワーを生み出したバンドの記念碑的作品』

ドイツ出身のハロウィンによる2ndアルバム

伸びやかな超ハイトーンヴォイスを持った当時18歳(!!)のマイケル・キスクが加入してからの1作目。今聴いても凄いなと思わせられる。当時初めて聴いた人達にとってかなりの衝撃度だったに違いない。

音楽性、ヴォーカルの独特性は後に多くのフォロワーバンドを生み出す事になる。所謂メロディックパワーメタルやメロディックスピードメタルの祖となる作品。

本作ではギターのカイ・ハンセンが多くの曲を作曲している。


『曲レビュー』

1「INITIATION」イントロであり次の曲の幕開けに相応しい曲。今では当たり前のように多くのバンドが作っているイントロだが、作り込んであるという意味ではこのアルバムと次のパート2のイントロがかなり有名だと思われる。

2「I’M ALIVE」1に続いて始まるこの曲は最初のリフからもうたまらない。ドラムにヴォーカルが入った時の疾走感と来たらもう…名曲すぎる。早くもキスクの持っているヴォーカルの才能が発揮されている。こんなに気持ちいいハイトーンヴォイスを持っている人は中々いない。歌詞が分かりやすいのもポイントだ。サビはコーラスと共に大合唱ものだ。そして鳥肌が立ってしまう。ギターソロはツインギターのハモりがとても際立っていてカッコいい。ソロだけでも4つの展開を聴かせてくれる。

3「A LITTLE TIME」ややミドルテンポの曲。分かりやすいギターリフからイン。伸びのあるヴォーカルが入ってくるとやはりカッコいい。Bメロは一緒に歌ってしまうだろう。サビはコーラスと共に叫ぶ感じだ。ギターソロというものが無く、効果音的な音で展開される。目覚まし時計の音は最初聴いた時はビックリしてしまった。キスクの作曲。

4「TWILIGHT OF THE GODS」如何にもカイ・ハンセン的なスピードメタル曲。メジャーキーで冒頭から疾走していくのが気持ちいい。やはりヴォーカルが抜群に良い。18歳でこの表情の豊かさは凄いとしか言いようがない。サビが2種類あるのでどちらも歌ってしまう。キスクに合わせて歌っていると多幸感に満ち溢れるから不思議だ。ツインギターのソロも聴きどころだ。ハモりもソロ弾きもカッコいい。

5「A TALE THAT WASN’T RIGHT」とても哀愁を帯びたバラード。もうAメロからクサさが出ている。A、Bメロと低い声で歌いサビで一気にハイトーンに。キスクのこのヴォーカルは本当に気持ちいい。もちろんサビは一緒に歌ってしまう。泣きのギターソロも良い。

6「FUTURE WORLD」代表曲にして名曲。イントロのギターリフからもう期待感が高まってしまう。曲は凄くキャッチーだ。歌詞も前向きな感じで良い。ここでも低音域から高音域まで広くキスクのヴォーカルを堪能する事が出来る。この曲はもう全メロを一緒に歌いたくなってしまう。ソロ前のシャウトもキマってる。短い展開からギターソロへ。ここでもツインギターのハモりが最高。展開の中にある効果音が耳を引く。

7「HALLOWEEN」本編ラストは13分と長編。最初の「マスカレード!マスカレード!」は思わず叫んでしまうだろう。ここでもやはりキスクのヴォーカルの良さが炸裂している。曲は物語調に展開していくので、聴いているとその世界観に引きずり込まれていくだろう。所々コーラスが入っているのでその部分で歌いサビは一緒に叫んでしまう。展開も良いしそこに入ってくるギターソロがまた良い。何度もギターソロが入ってくるがどれも聴き心地が良い。表情豊かなベースも聴きどころだ。

8「FOLLOW THE SIGN」アウトロ。なのだが、この後に守護神伝パート2を聴くのに相応しい終わり方である。時間のある時に二枚一気に聴くのがおススメだ。

【収録曲】

1.INITIATION
2.I’M ALIVE
3.A LITTLE TIME
4.TWILIGHT OF THE GODS
5.A TALE THAT WASN’T RIGHT
6.FUTURE WORLD
7.HALLOWEEN
8.FOLLOW THE SIGN

感想など

この作品もリアタイで聴きたかった。。後追いながらもキスクのヴォーカルにはとても感動したものである。私はパート2の方を先に聴いてしまっていたので、印象もインパクトも2の方が大きく感じている。

カイ・ハンセンがギターとヴォーカルをやっていた時代の曲もかなり良いが、キスクのヴォーカルがそれを遥かに凌駕してしまった。当時だとキスクのヴォーカルはヘヴィメタルには無い声質だったのではないだろうか。彼の出現により特にヨーロッパ圏のバンドはお手本として次々とパワーメタルバンドが出現していったのだと思う。

世界中で見ればハロウィンの人気は地域が限られていると思うが、熱狂的なファンを生み、多くのフォロワーバンドを生み出したという意味で歴史的な存在だと思う。


コメント

タイトルとURLをコピーしました