点数 90点
メロディックパワーメタル メロディックスピードメタル
ドイツ
『大幅なメンバーチェンジを行ったバンドが放つ快作』
ドイツ出身のガンマレイによる5枚目のアルバム
本作はギター、ヴォーカルをリーダーのカイ・ハンセンが担当している。カイの声は好き嫌いが分かれるところなので、問題無しという前提でレビューしていこうと思う。
これまでギターをつとめてきたディルク・シュレヒターが本作のレコーディングの際に本来の自分のパートであるベースへの転向を求めベース担当になる。
新しくギターにヘンヨ・リヒター、ドラムにダン・ツィマーマンを迎え、このラインナップはしばらく続く。この二人が良い演奏をしているのも聴きどころだ。
この作品の成功を機にヨーロッパでも人気のバンドへと昇格した。
宇宙をコンセプトにしたアルバムである。曲数は多いが一気に聴けてしまうだろう。
『曲レビュー』
1「BEYOND THE BLACK HOLE」キャッチーかつスピーディな最高のオープニングナンバー。のっけからカッコよくスピーディなドラムとスラップベースを聴かせてくれる。続いて入るメインリフはもうそれだけで合唱ものだ。Bメロも疾走感があって素敵。サビは雄大で一緒に大合唱してしまう。ギターソロ前の「イン!トゥ!ザ!ダーク!」ももちろん叫んでしまう。ギターソロもハモったりしてカッコいい。
2「MEN, MARTIANS AND MACHINES」壮大な感じのイントロから聴きやすいギターリフ、そしてシャウト。リズム隊が耳を引く演奏をしている。サビは歌いやすいので一緒に歌ってしまう。ギターソロは展開があってGOOD。最後の方に聴ける「ががががちゅ~」が気になって仕方ない(笑)
3「NO STRANGER」ミドルテンポのナンバー。テンポチェンジもある中でのギターソロがカッコいい。サビは聴き入ってしまうメロディーの良さだ。
4「SOMEWHERE OUT IN SPACE」表題曲でキラーチューンな一曲。スピードがとても速くて聴いていて気持ちいい。そしてパワーもメロディーも揃っている。バスドラの何と気持ちいい事か。展開の多い曲だがドコも聴きどころになっている。哀愁のあるサビも良し。サビの後に来るスピーディなハモりギターがとにかくカッコいい。ソロも最高。大作ながら構成がよく練られた曲でカイ・ハンセンのヴォーカルが似合っている。
5「THE GUARDIANS OF MANKIND」ドラムから入っていくアップテンポなナンバー。サビは疾走感と共に大合唱ものだ。この曲もカイのヴォーカルが似合っている。ヘンヨのギターソロも哀愁が漂っていて良い感じだ。前曲の陰に隠れがちだがかなりジャーマンメタルで良い曲。
6のイントロから7「VALLEY OF THE KINGS」これもカッコいいパワーメタルだ。冒頭からAメロでのキーボードとギターの絶妙な音の絡み具合が良い。クワイアのサビはもちろん大合唱だ。このアルバムのコンセプトに合っている。
8「PRAY」ガンマ・レイの中でも最高の部類に入るバラード。私的にこれはカイじゃないヴォーカルで聴いてみたかった。壮大なメロディでキーボードも綺麗に挿入されている。心が洗われる曲。
9「THE WINGED HORSE」イントロのドラムがまずカッコいい。からのエモーショナルなギターでイン。涙腺が緩んでしまう。ヘンヨも素晴らしい曲を書きますね。歌に入るまでに既に一つのドラマが出来ている感じがする。一級品のクサメタルだと言えるだろう。長さを感じさせない良メロ作。最後の様式美系の速弾きも良し。
10「COSMIC CHAOS」ダン・ツィマーマンのドラムソロ。アルバムにドラムソロが入るのは珍しいが聴いていてカッコいい。
11「LOST IN THE FUTURE」ノリの良いスピードメタル。Aメロのリズムとギターが耳を引く。ギターソロ部での「いやっほ~!ぷるるるるる~!」でとても明るい気持ちになった(笑)遊び心のある曲だ。
12「WATCHER IN THE SKY」IRON SAVIORの曲。ザクザク刻まれる正統派とも言えるギターリフがカッコいい。
インストの13から14「SHINE ON」アーライ!から始まる本編ラストを飾るに相応しい曲。これはメタルオペラとでも言うべきか。展開に静と動が見事にマッチングしている曲。ディルク作曲という事で珍しく感じる。激しく始まり静かに終わっていくところにこのアルバムという物語の締めを感じさせてくれる。
15「RETURN TO FANTASY」URIAH HEEPのカヴァー。ボーナストラック扱い。
【収録曲】
1.BEYOND THE BLACK HOLE
2.MEN, MARTIANS AND MACHINES
3.NO STRANGER (ANOTHER DAY IN LIFE)
4.SOMEWHERE OUT IN SPACE
5.THE GUARDIANS OF MANKIND
6.THE LANDING
7.VALLEY OF THE KINGS
8.PRAY
9.THE WINGED HORSE
10.COSMIC CHAOS
11.LOST IN THE FUTURE
12.WATCHER IN THE SKY
13.RISING STAR
14.SHINE ON
15.RETURN TO FANTASY
感想など
今年5月に来日公演を行うガンマ・レイ。ゲストには元メンバーでヴォーカルのラルフ・シーパースも帯同するという事でファンにとってはとても嬉しいところだ。
私はラルフ・シーパースのヴォーカルが好きなのでこの作品も彼の声で聴いてみたいと思った。カイ・ハンセンももちろん好きなのだが良い曲を書けば書く程、専任超絶ハイトーンヴォーカルに歌ってみてほしいという願望が出てしまう。
このラインナップは長く続く事になるが、各パートが本当に充実していると思う。本作はギター、ベース、ドラムどれをとっても良い出来具合だ。ヴォーカルに関してはもう好みとしか言いようがない。
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