点数 90点
ヘヴィメタル メロディックパワーメタル
ドイツ
『ジャーマンメタルを飛び越えた正統派メタルの力作』
ドイツ出身のエドガイによる6枚目のアルバム
曲は多彩で所謂ジャーマンメタルの型を超えたヘヴィメタル作品に仕上がっている。本作を最高傑作にあげる人も多いのではないだろうか。
アナログの技術を駆使したプロダクションが良く、音がかなり良い。迫力のあるサウンドが聴ける。
私だけがそう聴こえるのかもしれないが、曲によってスネアの音を変えているなと感じた。同じだったらごめんなさい。
『曲レビュー』
1「MYSTERIA」最初のセリフでこれから物語が始まるんだって思わせてくれる。からのギターリフが始まり順にバンドサウンドへ。勢いのある正統派なヘヴィメタルが聴ける。ヴォーカルのトビアス・サメットの何と表情豊かな事か。この1曲で今までのジャーマンメタルとは違うんだという意気込みが伝わってくる。ドラムも叩きまくりで特にサビ部での2バスは凄い。サビは間違いなく「ミステリア!」と一緒に叫んでしまうだろう。
2「THE PIPER NEVER DIES」2曲目はいきなりの大作。これは最後の方に持ってきた方が良かったんじゃないかなと思った。重くゆったりしたリズムでスタート。ドラムのスネアの音を変えてあるのかとても印象に残る。リズムに合わせて首が縦に動いてしまう。中間部で展開を見せギターソロも入ってくる。後半部になると一気に曲調が激しくなり疾走していく。「ネバネバネバネバネバダーイ!」は真似してしまうだろう。
3「WE DON’T NEED A HERO」待ってました!渾身のエドガイ節疾走スピードメタルナンバー。冒頭で2バスが入ってリフを聴いただけで何か良いものが来るんじゃないかなという期待感が膨らむ。もうAメロからジャーマンメタルだ。Bメロでさらに期待感が高まりサビで一気に解放される。サビはコーラス側を歌うも良し、主旋律を歌うも良し。手数足数の多いドラムにも耳が行く。トビアスの高音ハイトーンも冴えている。名曲。
4「DOWN TO THE DEVIL」美しいピアノから始まり泣きのギター&バンドサウンドに入っていく。こちらもイントロだけで良い曲の予感たっぷりだ。アップテンポでキャッチーな曲。サビは一緒に歌ってしまうだろう。ギターソロも良い感じだ。
5「KING OF FOOLS」ミドルテンポでキャッチーかつヘヴィなナンバー。冒頭のキーボードがとても印象的だ。これは思わず体がリズムを取ってしまう。サビは一緒に歌ってしまう。ん~、ギターソロが惜しいかなと感じた。もう少し何か展開のあるソロが欲しかった。
6「FOREVER」トビアスの熱唱が際立つパワーバラード。聴き入るもよし、歌うもよし、良い曲だ。
7「UNDER THE MOON」アップテンポでヘヴィなナンバー。ギターリフがヘヴィでヴォーカルもヘヴィな歌い方だ。サビはコーラスと共に歌い最後に一緒にシャウトしながら歌う感じだろう。
8「LAVATORY LOVE MACHINE」いきなりアメリカンハードロックになってビックリする。冒頭の「あうあうあう~!」って某白蛇のシャウトかなと思うくらいだ。面食らってしまったが曲はよく出来ている。キャッチーで聴きやすくドライブにも合うだろう。サビはコーラスと共に歌う感じだろう。
9「RISE OF THE MORNING GLORY」静かなアコースティックギターから始まり一気に疾走スピードメタルナンバーへ。待ってました!やはりエドガイには疾走していてほしい気持ちが私的にあります。Aメロ、Bメロもよく出来ていてサビで一気に解放される。サビはもう大合唱ものだ。
11「NAVIGATOR」スローテンポなナンバー。トビアスの絶唱が聴ける。
12「THE SPIRIT WILL REMAIN」本編最後はオーケストラな感じのバラード。まるで映画音楽のようだ。これはメタル系じゃなくても普遍的に聴ける曲だと思う。涙を誘う曲。
13「CHILDREN OF STEEL」疾走スピードメタルナンバー。イントロからわかりやすく入ってくれる。サビは一緒に歌ってしまうだろう。ギターソロが良い感じにツインギターしてる。
【収録曲】
1.MYSTERIA
2.THE PIPER NEVER DIES
3.WE DON’T NEED A HERO
4.DOWN TO THE DEVIL
5.KING OF FOOLS
6.FOREVER
7.UNDER THE MOON
8.LAVATORY LOVE MACHINE
9.RISE OF THE MORNING GLORY
10.LUCIFER IN LOVE
11.NAVIGATOR
12.THE SPIRIT WILL REMAIN
13.CHILDREN OF STEEL
感想など
私はエドガイは結構好きなバンドなのだが、どうしても一つだけ物足りなさを感じているところがある。それはギターソロだ。曲はほとんどのアルバムが良いものを持っているのだが、ギターソロがそつない感じで抜きん出ているものが無い。そこが本当に惜しいところだ。美味しいツインギターだったり超速弾きだったり、何か一工夫欲しいなといつも感じてしまう。そこがあれば私の中ではもう一段上のバンドの仲間入りだ。
トビアスはユニットで活躍したり本当に才能のあるコンポーザーだと思う。彼を通じて光を浴びていったアーティストは沢山いるだろう。
ジャーマンメタルが好きなので3rdの「Theater Of Salvation」のような作品をもう一度新作で出してくれないかと待ちわびている。
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