LOUDNESS/SOLDIER OF FORTUNE ソルジャー・オブ・フォーチュン(1989)

アルバムレビュー

点数 94点

ヘヴィメタル
日本

SOLDIER OF FORTUNE
SOLDIER OF FORTUNE

『世界で勝負出来る日本の稀有なバンド!ヴォーカルにマイク・ヴェセーラを迎え新境地を開拓した重要な作品』

日本出身のラウドネスによる8枚目のアルバム。

第二期LOUDNESSと呼ばれる時代の初めの作品。大きく変わったのはヴォーカルが二井原実からアメリカ人のマイク・ヴェセーラに変わり印象ががらっと変わる。

当時世界でもギターヒーローの一人だった高崎晃のテクニカルなギターに加えヴェセーラの声もバンドサウンドにマッチし完成度の高い名盤が産まれた。

テクニカルさと良メロディが相まってファンの中でも高評価を得ている作品。高崎はこの作品がテクニカル路線最後のアルバムと語っている。

『曲レビュー』

1の「Soldier of Fortune」もう出だしのギターリフからカッコいい。まさにストレートなヘヴィメタルだ。そしてヴェセーラの素晴らしいシャウトからの熱唱にガッツポーズ。サビも一緒に歌いやすい。バッキングの構成が本当に素晴らしい。ギターソロでは高崎晃の両手交差タッピングが炸裂!究極レベルだ。さらにオルタネイトの速弾き、スウィープ、ライトハンドと絶技の宝石箱である。まさにメタルの神曲であろう1曲。

続く2の「You Shook Me」これもギターリフが秀逸で聴いていてワクワクする。アメリカンでキャッチーなナンバー。これも一緒に歌いたくなる曲だ。ギターソロ、カッコよすぎませんか(涙)。

3「Danger of Love」はミドルテンポなパワーバラード。ギターの構成が素晴らしく、ギターソロは弾きまくっております。にんまり。

さらにバラードの4「Twenty-Five Days from home」綺麗なクリーントーンのギターから始まりヴェセーラのハイトーンが映える曲。

5「Red Light Shooter」では哀愁を帯びたヘヴィメタルが聴ける。これもサビを一緒に歌いたくなる曲だ。リフが良い。もちろんソロのタッピングも最高である。

6「Running for Cover」は一風変わった曲。リズム隊がよく映える。これをシングルバスで叩く樋口宗孝は鬼神の如しである。ギターソロの速弾きもバッチリ。よく歌をのせたなと感心しきりである。

7「Lost Without Your Love」はパワーバラード。なんだけどギターソロが鬼畜です(笑)

8「Faces in the Fire」はベースラインが印象的な軽快なナンバー。最後のドラム、ギター、ベースのバトルのような場面もグッド。

10「Demon Disease」はイントロのドラムからスピーディな1曲。カッコいいギターリフに気持ちの良いヴォーカルが入ってくる。弾きまくりのギターソロはフルピッキング、タッピング、光速スイープと濃縮され詰まっている。私が聴いているメタルギターソロの中でも特上の部類だ。曲もラストでしっかり引き締まっている。

【収録曲】

1.Soldier of Fortune
2.You Shook Me
3.Danger of Love
4.Twenty-Five Days from home
5.Red Light Shooter
6.Running for Cover
7.Lost Without Your Love
8.Faces in the Fire
9.Long After Midnight
10.Demon Disease

感想など

アルバムの楽曲は幅が広く、疾走曲からミドルナンバー、バラードまでよく整ったアルバムだと私は思っている。何よりも演奏が素晴らしい。

このメンバーでは2枚のアルバムしか出しておらず、好きな編成だっただけに非常に残念な思いをしたものである。もっと聞きたかった。

作品自体のクオリティが高く、さらに全てのパートが技術も高く本当に良い。特にギターソロは鬼気迫るものがある。

あのポール・ギルバードも高崎晃に魅了されたギタリストの一人である。日本人が憧れられるって当時じゃ凄い事だったのではないだろうか。

私は実はドラムの樋口宗孝がメタルドラマーの中でもかなり好きであり、彼の残した作品群を聴くと幸福感に浸る事が出来る。と、同時に亡くなってしまったので悲しさも出てくる。
実は彼が亡くなってしまってからショックが大きすぎてLOUDNESSのライブに行けなくなってしまったのである。

ヴェセーラはライブでのパフォーマンスが評価を下げている気がする。アルバムでは最高の歌唱を誇っているのだが。実に勿体ない。
後にイングヴェイに目を付けられ彼のバンドに加入する事になる。

稀代の名プレイヤー、樋口&高崎の間を繋ぐベースの山下昌良もかなりの腕前だと思う。

LOUDNESSも活動歴の長いバンドで時期によってヴォーカルが違うので他の時代のレビューもそのうちしたいと思う。

バンド・スコア LOUDNESS / LOUDEST
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